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2008年06月03日

●羮に懲りて膾を吹く

【羹に懲りて膾を吹く(あつものにこりてなますをふく)】
ある失敗に懲りて、必要以上に用心深くなり無意味な心配をすることのたとえ

稽古場の前の駐車場に、グレーでもふもふした子猫がいた。
そう、まさに「もふもふ」、まさに「もふもふ」である。
身体の大きさはちょうどムニャを拾った時と同じぐらいか。
またもや私の中に微かに眠る動物愛護精神がムラムラと沸き上がり、「ああ、こいつを持って帰りたい」と叫び始めた。

「シャーッ」

すぐ側の母猫に威嚇されあえなく撃沈。
なんでもかんでも持って帰ればいいというものではない、そんな話である。
大体もう5匹もいるのだ。これ以上は無理だ。しかし、2匹飼っていた頃もそんな事を言っていた気がする。それが4匹になり5匹だ。なんだそれは、猫カフェか。猫祭りか。人間様である私がろくに食えていないというのに、猫の世話をしておる場合か。ここで大きな問題にぶち当たる。

「芝居で食うのは簡単ではないぞ」

肝に命じようぞ。更に丹田辺りにグッと力も込めようぞ。
理想だけでは人は食っていけぬぞ、いいな。


そんなわけで通し稽古であった。
他の人はさておいて、自分はまあ酷いモノであった。
立ち稽古がまだまだ足りぬという事もあるが、そもそも芝居になっていない。
まずい、非常にまずい。
まずいまずいと思いつつ、今日は楽しくお酒を飲みに行ってしまった。
そして、その飲み会では芝居の「し」の字も出てこなかった。
素晴らしい、それがいい。
芝居に必要なものは人力、人の力だ。
台詞回しの巧妙さも、絶妙な体捌きも、そんなものは火にくべてしまえ。
グツグツ、グツグツ。
残り数日だが、きっと凄く良くなるだろうし、良くならなければ駄目である。

「みなさんに明日がくることは奇跡です。それを知ってるだけで日常は幸せなことだらけであふれています」

そんな千恵さんの言葉が最近グッと来る。


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