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2008年06月08日

●天網恢々疎にして漏らさず

~前回までのあらすじ~

何事も突き詰めなければ気が済まない葵は、高校卒業と共に上京し、とある大学で学生生活を送る。そこで出会ったのが、ジャンベのリズムに合わせて踊り狂う、暗黒舞踏「踊乱会(おどらんかい)」のメンバーだった。
軽く否定しつつも、やがて葵は、意味もなく白塗りで踊る事に興味を持ち始めて・・・・

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稽古も明日で最終日と言うことで、さすがに少々疲れもたまっている。
出番こそ少ないが、2時間の芝居をやるということは、例え出ていなくとも2時間分の緊張があるのだ。
なんて、少し偉そうな事を書いてみたりみなかったり。

テレビでポールポッツの特集をやっていた。
私はオペラも音楽もたいした知識を持ち合わせていない人間であるが、さすがにポールポッツが初めて大勢の人の前で歌い上げた、あの公開オーディション番組の1シーンには、感動せずにはいられなかった。

もっとも、彼の悲運な生い立ちや容姿へのコンプレックスなど、鑑みるべき要素は多々あるにせよ、其れ抜きにしても私は深く心を打たれた。

難しいことはわからないが、結局のところ、「本物は伝わる」ということなのだろう。

そこでふと我が身に返って考えてみる。
私にとっての「本物」とはなんぞや。

芝居の世界というのは、実は敷居はものすごく低い。
誰にでも役者になる可能性があるし、自分が嫌にならぬ限りはいつまでだって続けることが出来る。
だからこそ役者は、時が経ち色々な経験を積むにつれて、「芝居とは」とか「役者とは」とか「滑舌とは」なんていう、妙に哲学的な事を馬鹿正直に考え、そして悩んだりもするのだ。
まあ、かく言う今の私もそんな一人であるのだが。

しかし悩んでる場合でもない。
時は万人に平等に流れるものであるし、私一人だけが「おい、ちょっと待ってよ」なんて都合良く止めておくこともできない。

本番を目前に控え、私のとるべき行動は一つ。

なんぞや、なんぞや、なんぞや、そんなモヤンモヤンとした気持ちでいる時は、とにかく飯を食うことである。
メタボなんて何のその、飯をたらふく食って、寝る、とにかく寝るのだ。
そうすれば日は昇り猫は飯をクレクレタコラとせがみ、私の顔に爪を立ててくる。
爪の痛みをひしと耐えながら、あれやこれやの日常の雑事に追われるうちに、悩みなんて海ホタルの遙か彼方に飛んでいってしまうぜ!たぶんな!あばよ!

そしてある時ふと気付く。
それは、あの阿呆狸の親父が言った言葉。
でも、これこそまさに真理。

「面白きことは良きことなり!」


そんなわけで、「本物」問題はさておき、明日も頑張る。


【おまけ】

ポールポッツ解説

ポールポッツの例の番組
(英語だけど、そこは気合いでカバー)


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