●ジムの話
1月からジムに通い続けているわけですが、稽古中本番中関わらず毎日1時間でも行っているわけです。それだけ毎日のように通い続けていれば、そりゃあ色々と面白いことおかしなことがあるわけです。
数年前に通っていたジムでは確か、超おかまさんがスタジオレッスンで絶叫していたというエピソードがありました。さすがにあのエピソードを超えるものは今のところありませんが、それでもおかしなことは多々あります。
個人的におかしかった、というか、少し冷や汗ものだったのは、ジムの入会手続きをしている際、職業欄を書く段になって、さて、どうしたものか、役者と書くのも照れくさいものだな、じゃあ何か適当な職業でも書いたほうがいいかな、しかしそれは文章偽造になってしまうなと、しばらく長考していると、
「あ、キャラメルの方ですよね」
「は、はい・・・」
まさに瞬殺されました。
この職業をやっていて一番悩むのが、大して有名じゃないのに局地的に有名、ということです。時々とんでもない場所で声をかけられたりもします。この前なんかはセブンイレブンでしたね。コンビニですよ、コンビニ。驚愕です。
おかしなことといえば、今日はこんなことがありました。
屋外にジャグジーがありまして、今日なんかは少し天気も悪かったものですから、人がいなかったんですね。僕は屋外派なもので、いつものように一人屋外ジャグジーでたそがれておりますと、30代後半ぐらいの男性が一人現れました。その男性は、仮にぽっちゃさん(ぽっちゃりしていたので)としますが、何を思ったかいきなり、ジャグジーに頭から回転しながら飛び込まれました。
おそらく背中かどこかを打たれたのだと思われます。水深110センチですから。ぽっちゃさんはしばらく水の中から顔を出しませんでした。大丈夫かな、と心配しつつも、飛び込み禁止の場所でそんなことをするあなたが悪い、ぐらいに思っていました。しばらくしてぽっちゃさんは何事もなかったかのように水面から顔を出して、ジャグジーに浸かっていらっしゃいました。
空はかなり荒れ果てた模様で、上空は風が強いのか、雲がかなりの速度で流れていきます。僕は無心になって流れ行く雲を眺めておりますと、何やら歌声が聞こえてくるではありませんか。
「・・・・♪~ゆ~きゃんだ~んす~♪・・・ゆ~きゃんだ~んす~♪~・・へ~ろ~れへろ~ろ~は~あ~」
なぜにその歌?その歌は確か、誰かのお誕生日があるたびに、頼まれてもいないのに青山が勝手に踊る時の曲ではないか。およそぽっちゃりさんには似合わないその選曲、そのチョイス。しかも、全然歌えてない。
「あと1ヶ月か・・・1ヶ月・・・1ヶ月か~!」
なぜか突然そう叫びだし、彼は僕の目の前から姿を消しました。
その後僕は、ジャグジーに浸かりながら、果たして彼は何を思ってあんなことを口走ったのだろうとしばらく考えていたのですが、結局適当な答えが見つかるはずもなく、そういえば後1ヶ月で夏も終わるのだな、なんてことを思って少し寂しい気持ちになりました。
彼にとってのその1ヶ月とは、果たして何を意味するのだろうか。せめてそれが、何かしあわせなことであればいいのだけれど。
年配の方が多いジムなんですが、そういえばこの前、年配の方のちょっと素敵な口説きの現場を目撃したのですが、その話はまた今度にもで。