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長い戦いであった。
思えば、「やんちゃくれ」の頃から痛かったから、
もう1年近く戦っていたことになる。
長かった・・・・
今日でこの「虫歯」の治療が終わる。
正確には、先週の段階で終了したはずだったのだが、
映画やらなんやらで忙しく、結局行けなかったのだ。
だからこの1週間、ず〜っと歯に穴が開いた状態だった。
何か食べると、穴にいつもはさまって大変だった。
そんなつもりはなくとも、歯の中に食料を備蓄できたのだ。
それはそれで便利であるが、なんとも不潔きわまりない。
そんな苦しみも今日で終わり。
俺の胸は、希望でいっぱいだった。
「下川みくに」の歌さえ、うまく聞こえる気がした。
いや、それはやはり気のせいか。
「チェキッ娘」はいったいなんだったのか。
それもいい。
踊る心を押さえ、俺はワイングラス片手に歯医者へと向かった。
「今日で終わりですね」
先生は、作り笑顔でそう言った。
そう、俺を改造しようともくろんでいたあの先生だ。
ペルシャ絨毯の上に、バスローブを着て立っていた。
治療が終わった暁には
「お前は今日から『改造人間ミミゲルゲ』だ」
と言われてしまうのだろうか。
おっと、それはバロムワン。
誰かミミゲルゲを知っているだろうか?
知っている人は、イラストつきでおくってほしい。
想像図だってかまわない。
第1回「ミミゲルゲ」選手権 daih@bf.mbn.or.jp
優勝者には、ミミゲルゲのハンドル使用許可を命じる。
今日の治療は簡単だ。
空いた部分をつめるだけ。
何も削るものはない。
先生が、奥から詰め物をもってくる。
「これを詰めますね」
そう言い放つ。
アシスタントの「かわいい(憶測)ねーちゃん」も健在だ。
いまだマスクで顔はわからない。
「君の心の隙間の詰め物になりたい」
いまいちゴロが悪い。
「君の心の隙間を補完したい」
それじゃあエヴァだ。
「俺の母親は久美子だ」
それはおかんだ。
ウガンダはカレーが好きだ。
それにしても思うのが、本当にただの詰め物か?
発信機が仕掛けられてはいないのか?
だとすれば、2000年問題はクリアしているのか?
今年もまた、年越しチャットをやるのか?
そんな疑問が脳裏をよぎる。
ひょっとして、超高性能のカーナビではないだろうか?
だとすれば、現在地がばれるのか?
コンビニは表示されるのか?
アップグレードはできるのか?
誰かに答えて欲しかった。
本当に12月29日にドラクエ7が出るのか?
それも誰かに答えて欲しかった。
俺の疑問をよそに、
早速治療が始まった。
今回、ひそかな目標があった。
前の日記で
「目を開けるべきか閉じるべきか」
という問題を提起したところ、
「普通開けません」
と、お叱りのメールをいただいた。
それならばと、俺はずっと目を開けたままにしたのだ。
ひょっとすると、俺が目をつぶっている間、とんでもない光景が繰り広げられているかも
しれないのだ。
そう、そうなのだ。
人間、かならず目を閉じる。
実は、自分が閉じている間には、とんでもないことが起こっているのかもしれないのだ。
それに気付いていないのかもしれない。
目を閉じている時の世界。
英語でなんていうのだろう。
誰か教えて欲しい。
ボケてくれたってかまわない。
daih@bf.mbn.or.jp
こんなことも考えた。
もし、治療中にこの天井が落ちてきたら、俺はどうすればいいのだろうか?
そんな恐怖と戦いながら・・・。
治療は実にあっけなく終わった。
「細見さん、うがいしてください」
終わった・・・全てが終わったのだ・・・。
俺は、ゆっくりと水を口に含んだ。
1回、2回、口をゆすぐ。
「痛い」
思わず声をあげる。
心配になった先生が、再び診察した。
「あ〜、また違うところに虫歯ができてますね。また来てください。ははははは」
俺の虫歯は、まだ終わらない・・・・・・・
P.S.「かわいいねーちゃん」と思っていた人は、「かわいいかあちゃん」でした。
最初からマスクはとっておいてくれよ。それがある意味、一番ショック。
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