2000年1月11日「1月11日」


1995年1月11日、正確には1月10日の晩、僕の役者人生は始まった。

その日は、某劇団のワークショップ一次選抜の日だった。
その頃の僕は、ものすごく自信家で、野望も持っていて、
絶対に受かる自身があった。
落ちれば芝居はあきらめようと思っていた。

オーディションが終わり、1人づつ演出家との面接が行われる。
合格の発表もそこで行われた。

結果、僕はそのオーディションに落ちた。
高校時代から憧れていた劇団に入る夢は、 その日、終わった。

演出家は僕に言った。

「君が芝居を続けている限り、きっとどこかで会えるから」

僕はその言葉に腹を立てた。
バカにされているとさえ思った。
それぐらい悔しかった。

その晩はあびるほどワークショップの仲間と酒を飲んだ。
夢の終わりが怖かった。
いつまでもこうしていたいと思った。

夢から醒めて、 そして、僕は再び芝居を続けたいと思った。

悔しかったあの言葉も、今では感謝している。
こうして芝居を続けていられるのだから。

あの日、別々の人生を歩み始めた10数人の役者たちは、
今もなおそれぞれの場所で頑張っている。
全員とは言わないまでも、ほとんどの人間が芝居を続けでいる。

必ずしもみんな活躍しているわけではない。
でも、いつかきっと、必ず夢はかなうと信じている。
みんなも、きっとそう信じてどこかで頑張っているんだと思う。
だから僕も頑張れる。

5年前の1月11日、僕の人生は動き始めた。


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