2000年6月25日「懐かしい僕

 

変な時間に目覚めてしまった。
朝にはまだ程遠い。

特にやることもなく、僕は突然思い立って、部屋の掃除をすることにした。
わずか6畳の僕のちっぽけな部屋は、物で溢れかえっていた。

押し入れの整理から始めてみる。
すると、出るわ出るわいらないものが。
前の引越しの時からダンボールにつめたままの物まであった。

仕方なく僕は、要らないものの処分を始めた。

しかし、いざ捨てようと思うと、どんなガラクタでもイトオシク感じてしまう。

ガラクタに詰め込まれた懐かしい思い出。

思い出は過去のもの、だから普段は、僕の気づかないところに
ひっそりと身を潜めている。

そして、ある日突然、僕の前に姿を現すのだ。

その懐かしさに僕は、押しつぶされそうな気持ちになる。
泣きたいわけじゃない。

ただ、その懐かしい思い出が体中に溢れかえり、
僕はなんとも言えない気持ちになるのだ。

あの時の思い出

あの時の風景

あの時の言葉

忘れかけていた記憶の数々が
僕の心を残酷に揺さぶる。

ふと、懐かしい戯曲が目にとまった。

僕が大学時代、初めて、そして唯一書いた戯曲だった。

それは、戯曲と呼べる代物ではなかったのだが、
それでも、あの頃のありったけの思いが
詰め込まれていた。

あれからもう随分たった。

僕は当たり前のように年をとり、
今ここでこうして生きている。

あの頃から考えると、僕はずっと大人になって
色々なことを考えられる余裕も出てきた。

あの頃の僕は、余裕がなかったのだ。

常に何かに追われているような、
常に何かに見つめられているような

ありもしない呪縛に
もがき、苦しんでいたのだ。

でも、人はそんなに変わらない。
あの頃の僕と同じ僕が
今もまだここに存在している。

世界が少し広がって、
その真中で、もがいている僕がいる

懐かしい僕が、今の僕を揺さぶり始めた

今よみがえったこの気持ちを
少しでも前に進む事ができる
勇気に変えれれば、と思う。


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