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午後1時。今日は広い稽古場での稽古であった。
普段の稽古場より2倍以上広いので、
自然と気持ちも大きくなる。
芝居もまた、広い場所の方が、大きくなるというものだ。
今日は時間が長い事もあり、佐藤さんの殺陣の稽古があった。
基本的なパンチやキックの練習をする。
今回の芝居で、アクションシーンがある人間は限られているのだが、
全員で練習する。後にも述べるのだが、このような
基本的な動きの練習はすごく重要なのである。
午後2時、特別ゲストを加え、朗読の稽古が始まる。
今日はフリータッチ。
自分の好きなところで文章を区切り、相手に渡す。
その際、自分勝手に相手に渡し、相手を困らせてはいけない。
きとんとコミュニケーションをとらなければいけないのだ。
今日はミラノさんと組んだ。
今回の芝居もそうだが、ミラノさんとは絡んだ事がなかったため、
とても新鮮だった。
朗読が始まる。僕は、文章的にとても妙なところで切って
ミラノさんをかなり困惑させてしまった。
しかし、さすがはミラノさん、そんな僕の自分勝手を
ちゃんと受け止め、僕に返してくれる。
これがとても楽しかった。
演出家から、区切りの動機がない、コミュニケーション不足である、
と指摘されたのだが、「楽しかったですね」と、二人で言い合った。
またも新人の温井がつかまった。
演出家は言う。
「うちの劇団では、瞬発力が非常に大事だ。学歴が高い、という頭の良さではない。
回転の早さが必要なんだ。頭に限らず、体も、台詞も、全て瞬発力が
必要なんだ。アクションやダンスの稽古をするのもそのためだ。
それができない人間は、うちの劇団には必要ない。」
手厳しい駄目だしだった。しかし、これは大切なことなのだ。
1000人近くのお客さんを前に演じる、ということは
とても大変なことなのだ。
もし今後、うちの劇団を受けたいという人がいれば、
そのことを肝に命じて受けにきてほしい。
そういえば僕も、入団当初、自分がなぜこの劇団に受かったのだろう、
と考えた事がある。というか、いまだにか。
大内君はダンスが得意である。南塚はアクション。
じゃあ僕には何があるのだろう。
すごく悩んだ覚えがある。
人並みに台詞を読むことはできる。
演技経験もある。
しかし、僕でなければいけない何か、が
僕にははっきりとわからなかった。
自分自身の価値は何か、それはいまだに模索中。
午後3時。3番の殺陣指導が始まる。
成瀬と大内君が指導を受けた。
そのシーンに関係のない役者達は、稽古場の外で
それぞれ台詞を練習する。
結局その後、3番の殺陣が夕方までかかり、
その日は11番・12番の稽古で終わった。
予告されていた通し稽古は行えなかった。
稽古が終わり、明日は休みということで
飲みに行く事になった。
みなで疲れを癒すべく飲んだ。
うちの劇団はあまり飲みに行く事はない。
理由はわからないが、たぶんそんなに飲む人がいないからだろう。
隣に座っていた首藤さんに
「細見君は変わってるよ」
と言われた。別に変な意味ではなく、稽古を見ていてそう思ったそうだ。
確かに僕は変わっているのかもしれない。
芝居の作り方もみんなと違う。
が、僕はこの「変わっている」という言葉こそが
役者にとって最高の賛辞である気がしなくもない。
冗談で、僕と首藤さんと岡田さんの3人で
プロデュース公演ができたらいいですね、などと話していた。
内容は「男三人のホモチックなお芝居」だそうで。
ホモの芝居がいいかわるいかは別として、
いつか実現すれば楽しいだろうな、と思う。
明日は休み。まだ始まって1週間だというのに、
もう体の疲れが抜けない。
ゆっくり休もうと思う。
月曜日は通し稽古。しかも、カレッジ組の二人を迎えて、いきなりである。
稽古場の風景(1/2)
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