2001年1月17日「忘れること

 

忘れることは大事である。
忘れるからこそ生きていける、そう思っている。

でも、忘れてはいけないこともある。

ただ、現実はあまりに残酷で
僕の中からだんだん消えてしまうのも事実である。

思い出そうと思わなくても思い出せたことが
今は思い出そうとしなければ思い出せなくなっている。

震災で亡くなった彼のことも
今ははっきりと思い出せなくなっている。
顔も、姿も。

でも、一番最初に思い出すのは
彼が語った言葉である。

「大学にいるうちに、何か違うことをしてみたい」

その一言が、彼を芝居へと突き動かした。
でも結局、彼はその夢を果たせぬままであった。

この言葉を僕が忘れない限り
彼は僕の中で生きている、そう思っている。

人が死ぬのはいつだと思う?
それは、忘れられたときだよ。

僕の大好きな漫画に
そう書いてあった。

彼が生きた証を
僕は今もなお、心の奥に刻んでいる。


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