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その戦いに勝者はいなかった。
そして敗者もまたいなかった。
あるのはただ、疲れ果てた戦士だけだった。
そもそもなぜこの戦いが始まったかは誰もわからない。
理由なき戦い。
気がつけば泥沼と化し、時間だけが無意味に過ぎていく。
そして、互いを傷つけあって、消耗していく。
どうしてこんなことになってしまったのだろう。
そう思いながらも、お互いの意思に反して戦いは続く。
やめることなんてできない。
ただただ、戦いは続く。
誰にもとめることはできない。
他人の介入は無意味で無力だ。
何かにすがりたくてもすがることすらできない。
自分のしていることが、もはや正しいのかどうかさえわからない。
戦場はますます混乱し、暗闇が覆う。
すぐ目の前でさえ何があるのかわからない。
闇雲に動き回る戦士たち。
全身が叫びだす。
心が激しく悲鳴をあげる。
心と身体がバラバラになる。
泣き叫んでもどこにも届かない。
やがて、この戦いの無意味さに気づいた戦士が
語り始める。
ありったけの思いを込めた言葉で。
全てを言葉にのせて。
その言葉ですら、もはや相手の心には届かない。
どんな言葉を探してきても。
戦士は、もはや語ることすらできなくなる。
言葉を失う。
その昔、戦友だった。
そして今、戦うべき相手となった。
満天の星空の下、語り合った理想郷は
遠い夢の話となった。
訪れるべき未来はなかった。
怒りも、悲しみも、全てを通り越して
戦いは終わりを告げた。
あるのはただ、疲れ果てた戦士だけだった。
もはやどんな感情もない。
ただ、疲れた。
今はもう、眠りたい。
どこまでも深く、深く。
世界には、あまりにも無意味な戦いが多すぎる。
あるのはただ、疲れ果てた戦士だけなのに。
誰もが気づいているはずなのに。
人間は愚かだ。
過ちと気づきながらも、とめることができない。
同じことを何度も何度も繰り返す。
でも、それでも、いつか気づく日がくると信じたい。
満天の星空の下、理想を語り合った戦士達の日を。
真実の言葉を手に入れた日を。
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