2002年2月26日「リトルターン」

 

稽古も終盤戦です。
ようやく殺陣もつきました。
本番まであと数日というのに、かなり激しい立ち回りです。
どれぐらい激しいかって、今まで僕がやったことないぐらい。
楽しみにしててください。

殺陣師の先生は「菅原」さんという方なのですが、
とても厳しくて、そして面白くて、やさしい方です。

未熟な僕に一から殺陣の基本、心構えを教えてくださいました。
もちろん技術も大切なことなんですが、
先生曰く、

「殺陣なんてどうだってええねん。見せるのは心。」

だそうです。
僕たちがどんなにがんばったところで、
動きの綺麗さ、華麗さは、歌舞伎役者にはかなわない、
だから僕たちが見せるべきは「心」であると。
心のないチャンチャンバラバラは、ショーでしかないと。
その殺陣を通じて、何を伝えたいのか、それが大事であると。

この先生の面白いのは、台本をどんどん変えてしまうところに
あります。

「台本なんて参考書。参考にするだけでええねん。
台詞なんてもんは、実際に動いている役者にしかわからん。」

その昔、「一言一句変えないでください」と
脚本家に注意されたにもかかわらず、
殺陣のところの台詞を総変えして、

「どうして台詞をかえたんだ!」

と脚本家に言われたところ

「ほんなら一言一句かえんでもええよーな台本書け!」

と、その脚本家を一喝したそうです。
そんな豪胆なエピソード満載の先生なのです。
誰よりも役者の気持ちにそって考えてくれる、
長年芝居を続けてきた方の誇りを感じます。

稽古場には他にもたくさんの素敵な方がいます。
僕が生きてきた時間よりも長い時間、ずっと芝居をしている
方たちばかりなのです。

たかだか10年ほど芝居をやっている僕なんて、
到底歯が立ちません。
それでも僕は、同じ舞台にいる一人の役者として
誰にも恥じることなく、頑張りたいと思います。

刺激的な毎日です。
刺激的な人たちに囲まれて。

決して臆することなく、決して井の中の蛙になることなく。

「リトルターン」は今僕のお勧めの本です。
ぜひ読んでみてください。





現実2月へ戻る

現実indexへ戻る